ゾウのいないゾウ舎
これは、上野動物園の初代園長である故・古賀忠道博士の設計・指導の元に
建てられたというみさき公園のゾウ舎です。
去年の12月25日に急に思い立って撮影した物です。
ゾウのいないゾウ舎_e0068257_20174174.jpg

古賀博士は上野だけでなく全国の動物園の発展に尽くした方で、
日本動物園水族館協会会長、財団法人東京動物園協会理事長、
国際自然保護連合(IUCN)日本委員会の委員長、WWF日本委員会の
設立などもやったという、ものすごい方です。
この方が昭和32年から全国の動物園の設計されていた時に
一番最初に手がけたのが「みさき公園自然動物園水族館」、
今のみさき公園だったとか。

でも、ここに今ゾウはいません。
人気者だった二頭のゾウが2004年に相次いで亡くなったのだそうです。

「象のいない動物園」で有名にな上野に限らず、戦争の時には
それまでいた動物の多くがエサがなくて飢えて死んだり、空襲で動物園の
檻が壊れて逃げ出すと危険だからという理由で殺されました。
大阪の天王寺動物園のゾウたちは、薬殺される以前に栄養状態が悪くて
衰弱死してしまったそうです。
名古屋の東山動物園は園長の必死の嘆願でゾウは生き延びましたが
これは本当に稀な例だったようです。
戦後になり東京では上野動物園にゾウが欲しいという事を子供たちが
インドの首相に手紙を出してゾウが来たのは前述の本の通り。
大阪でも「東京や名古屋がうらやましい」という新聞への子供投書から、
ゾウが天王寺に寄贈されたそうです。

そして現在。
ゾウは保護動物だという事もあり、海外から来るのは難しいそうです。
でも日本にいるゾウのほとんどは、とても高齢なのだそうです。
(戦後に子供のために贈られたゾウも結構います(^^;。)
更に日本ではゾウの繁殖に成功した事がありません。
これは既に高齢になって繁殖出来ない事も原因になっていますが。
※一昨年王子動物園で生まれたモモちゃんが日本でのゾウの繁殖の
希望になるかと思ったのですが、残念ながらこの子も亡くなりました。

みさき公園も現状では新しいゾウが来る事は難しいのだそうです。
でも古賀博士の平和や動物と子供の笑顔への願いを忘れぬよう、
このゾウ舎を引き続き展示しているというお話です。
※1月11日にゾウ舎周囲に工事用の重機が入っていたので、
改装される可能性もあるので慌ててこの記事を掲載しておきます(^^;。

今、みさき公園付近にいるゾウさん↓
ゾウのいないゾウ舎_e0068257_20305965.jpg

南海電鉄みさき公園駅前のナウマンゾウの石像です(^^;。

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撮影者:にゃんこ☆(ブログ管理者)
撮影日:2005/12/25、2006/01/11
撮影機種:Power Shot S1IS
by nyan_nyan7 | 2006-01-12 21:21 | 動物園:みさき公園
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